人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Musashi in London

昨晩、蜷川幸雄演出の「Musashi」を観てきました。久しぶりのBarbican theatre。あのオレンジの外観を見ただけでも興奮です。

シアター内はこれでもか!というほどに日本人だらけ。あちこちで日本語が飛び交っていて、福井から東京の劇場に来た時と同じような感覚になりました。

今回のお目当ては、そう藤原竜也です。特に大ファンということではないのですが、舞台の演技には定評があるようだし、一度生の演技を観て見たかったのです。

Musashi in London_b0148493_19552035.jpg

ガーディアン紙のレビューページより。


さすが、藤原竜也。凛々しい顔つきもさることながら、宮本武蔵の男っぷり、侍っぷりを迫真の演技で表現してくれました。勝地涼の佐々木小次郎もとっても素敵でした。(本音を言えば、小栗旬の佐々木小次郎が観たかったのだけど、、、)あと、鈴木杏ちゃんの可愛らしい乙女役も白石加代子の何か呪われそうなそして軽妙な演技も素敵でした。とにかく満足度120%。おまけに最後、蜷川幸雄本人も登場してくれた時は、「いつもいつも素晴らしい作品をありがとうございます」と心から思いました。

話の内容もとても凝っていて、禅宗、侍魂、能、友情、そして竹やぶや月からみる「日本の美」。佐々木小次郎は福井にゆかりのある人物なので(佐々木小次郎の像もあるし)、三国港や九頭竜川、越前といった福井の地名が何回か登場し、さらに興奮しました。

Musashi in London_b0148493_20103153.jpg

九頭竜川です。私の実家は川の右沿いにある小さな集落にあります。

お芝居を観ていつも思います。

「あー、生きててよかった」

これは大げさでも何でもなく、心からそう思います。お芝居でもダンスでもコンサートでも、ステージで表現する人は、その瞬間、瞬間に全身全霊でぶつかっていきます。その姿はエネルギー体そのもの。私はいつもそのエネルギーをもらいに劇場に行くと言っても過言ではありません。パフォーマンスを観ている最中は(特に素晴らしい演技や歌声やダンスを楽しんでいる時は)、自分の日常生活のありとあらゆるものを「忘れる」ことが出来ます。そして、「今」を存分に楽しむことが出来ます。この瞬間の気持ちの充足感はまさに「至福」です。

昨日のお芝居も、迫真の演技あり、コミカルな演技ありで、もう時間を忘れて見入ってしまいました。面白いシーンは涙が出る程笑いました。閉演後もしばらく余韻を楽しみ、一緒に言った友人と充足のため息をつきました。

あー、やっぱり日本はいいな。一つのお芝居で、日本の奥ゆかしさを思い出し、故郷を懐かしみ、自分がいかに日本人であるかを思い知りました。世界中どこにいても、私は私なんですね。

来月は市川海老蔵の歌舞伎を見に行きます。もう、今から待ちきれません!

by honeypan2 | 2010-05-08 20:26 | 趣味