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春琴@Barbican

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私の大好きな女優さん、深津絵里。

昨日は彼女が主演する舞台「春琴」をバービカンシアターで観劇してきました。先週の土曜日も行ったので今回は2回。この舞台はサイモン・マクバーニーというイギリスの有名演出家(日本でいうところの蜷川幸雄や野田秀樹くらい?)が谷崎潤一郎の「春琴抄」と「陰影礼賛」という小説をモチーフに手がけたお芝居で、初演が2008年(東京)、再演が2009年(ロンドン、東京)、そして今回が再再演(ロンドン、パリ、東京、台湾)です。

初演から数えると今回で7回目の観劇になります。毎回、演出が微妙に異なるので観ていてもいつも発見があるし、何より役者さんや演出家その他スタッフのチームワークの良さを感じるとても素敵なお芝居です。

深津絵里が好きという理由だけで、初めて東京まで「カメレオンズ・リップ」というお芝居を観に行って、すっかり観劇が好きになった私。深津絵里の魅力も観る度にグレードアップして、その度に「こんな素敵なお芝居を観れて、こんな素晴らしい時間を会場で共有できて、生きてて良かった」と心から思います。もう、深津絵里は、観劇は私のパワーの源です。

私はお芝居の知識もないし、演出や演技にどうこうということよりも、とにかくあの役者さんのエネルギッシュな感じが好きなので、本当に観たい時は真ん中の前を陣取ります。昨日ももちろん、役者さんが数メートルという近さで観劇しました。蝋燭の光の微々たる動きや、役者さんの眉間のしわまで見える私にとっては贅沢席です。深津絵里が壇上に出て来た時はその姿に鳥肌が立って、泣きそうになりました。

昨日は、ロンドン公演最終日だったので、サイモンも最後は壇上で挨拶してくれました。実は、去年の再演時に老いた佐助を演じた役者さんが東京での公演後3ヶ月で他界されたそうで、そのことを話してくれました。私は個人的には初演&今回の再再演の笈田ヨシが好きでしたが、やっぱりチーム春琴を作ってきた仲間として皆さんが悲しまれているのが伝わってきました。深津絵里が真っ黒い瞳を潤ませているいたのが印象的でした。

余談になりますが、先週の土曜日のこと。隣に座ったイギリス人男性(年は多分50〜60代、with妻)がいきなり、「Hello」とにこやかに声をかけてきました。私は人見知りも激しいので普段はめったに初対面の人と必要でない限り話はしないのですが、何となくこの時は雰囲気で話していました。どうも、このおじさん、演劇通らしく、サイモンや劇団の人とも知り合いの様子。サイモンが率いるcompliciteの他の作品の話や、ロンドンで観た日本関係のお芝居やワークショップ(その時は俳句だったらしい)についても楽しそうに話してくれました。挙げ句の果てに「じゃあ、このお芝居が終わるまでに俳句を一句考えてね」と私と同席していた友人に宿題を課せて来ましたが、舞台にすっかり魅了されてしまったようで、終わった後は「Just forget about the homework」といって、しばらく席から立ち上がらずに余韻を楽しんでいました。どうやら、本当の演劇好きみたい。こんな人と出会うのも楽しいです。

あー、だから観劇はやめられない。

by honeypan2 | 2010-11-15 08:59 | 趣味